時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

”ばらまき政策”よりも教育のレベルアップを

 子育て支援と言いますと、どの政党も、とかくに育児手当や子供手当の支給額の増額や支給対象の拡大を挙げる傾向にあります。しかしながら、日本国の長期的な展望から見ますと、むしろ、個々人に手当金を配布する”ばらまき型”よりも、教育全体の質的向上をはかる政策を検討すべきではないか、と思うのです。

 日本国が、将来においても現在の国際的地位を保ち続けるためには、人材育成をおいて他に道がありません。天然資源に乏しく、地理的にも国土の狭い日本国において、一億三千万人が生きてゆくためには、様々な分野で時代をリードしてゆける高い思考力と先見の明を持つ人材を、自らの手で育ててゆくしかないのです。

 少子化は、ロボット技術の導入や生産の海外移転などによって、将来的には解決される可能性があります。本当に恐れなくてはならないのは、少子化ではなく、国民の質の低下と人材の枯渇なのです。何に使われるかわからない個人への”ばらまき政策”よりも、教育の質を上げるための学校施設や先端的なカリキュラムへの投資の方がはるかに有益なのではないでしょうか。