時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

夜間補習講座を生かすには

 杉並区の教育委員会は、同区立の和田中学校で検討されている夜間補習講座を容認する方針に転換したと言います。これまでの反対理由は、1)成績上位者が対象、2)受講料の負担、3)特定事業者への教室提供であったそうですが、これらの問題は、以下の方法で解決するのではないか、と思うのです。

1)成績上位者対象クラスのみならず、成績中位や下位のクラスの設置も検討する。

2)補習講座の開設自体は教育ビジネスなので、受講料は当然とする。ただし、塾の事業者は、区に対して教室の使用料を支払い、その収入は、都の教育予算に繰り入れる。

3)SAPIX以外の他の業者へも広く教室提供の参入機会を開く。レベル別の講座を開設する場合を含めて、特定の業者のみと契約する必要はなく、業者間競争を働かせる。

 日本国の教育レベルの低下が懸念されている中、教育の現場において、それぞれの学校が新たな工夫や仕組みを試みることは、頭から否定すべきことではないように思います。また、今日では、両親ともに仕事を持つ家庭も増えており、放課後の学校を教育の場として利用することは、むしろ、社会のニーズに応えることにもなりましょう。夜間補習講座のみならず、子供達が一人になりやすい夕刻の時間帯の教室の活用なども、青少年の健全な育成のための今後の検討課題なのではないか、と思うのです。