時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

資源国への輸出拡大作戦

 日本国の経済の行方が危ぶまれる中、1億3千万人が、”座して死を待つ”、というわけにはまいりません。衰退を防ぐために、日本国は、外部環境の変化に対応し、日本経済のサバイバル作戦を展開しなくてはならないのです。この大作戦の一環として、先ずは、資源価格の上昇を背景に世界の資金を吸収している資源国に対して、輸出を増やす作戦はどうか、と思うのです。

 かつて、大航海時代にスペインとポルトガルが、新大陸で鉱山を発見して莫大な金銀を手に入れた時、周辺諸国は、これらの富裕国に対する輸出の拡大を競いました。資源の乏しいイギリスが、世界に先駆けて産業化を達成したのも、欠乏が幸いしたとも言われているのです。日本国もまた、資源を輸入に頼る国であり、こうした国が豊かな経済力を維持するためには、他国が欲しがるような製品を造り続けるしかありません。例えば、石油輸出国に対しては、インフラとしては、淡水化装置や緑化プロジェクトなどがありましょうし、また、豊かになった国民に対する電化製品なども考えられましょう。輸出先のニーズや生活習慣に合わせて、性能の高い製品を開発を行えば、喜んで日本製品を輸入してくれるかもしれません。

 経済不安の中で何もしないで様子見するよりも、危機に備えて対応策を練る方がよほど建設的です。発想力こそ、危機を乗り越える唯一の力なのですから。