時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

女性枠方式は男性に有利?

 しばしば、日本国では女性の社会進出が遅れていると指摘されており、その解決策として、諸外国にならって女性枠を設ける案が主張されることがあります。しかしながら、この方式、運営を間違えますと、むしろ、男性有利の制度になってしまうと思うのです。

 何故ならば、一定人数の枠を始めから設けてしまうと、特定の上位者に、女性枠を選ぶ人事権を与えることになるからです。つまり、選任者が男性である場合には、特定の男性の恣意的な意思によって女性枠の配分が決定されることになります。この場合、能力を基準として選出される保障もなく、男性受けする女性やコネがある女性が優先的に選ばれるかもしれません。女性枠のみならず、すべてアファーマティヴ・アクションには、逆差別に加えて、こうした問題が付きまとうのです。

 この弊害をなくすためには、やはり、予め一定の枠を決めるよりも、自由競争による能力主義の方が良いように思うのです。一定人数を女性に振り向けたところで、それは、数合わせの見せかけに過ぎなくなるかもしれません。この主張は、疎まれている女性=私のひがみにも聞こえなくもないのですが・・・。