時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

平沼新党と鳩山氏の連携はキメラ?

 福田政権の誕生により自民党民主党との違いが薄れ、これまで自民党を支持してきた保守層は、政党の選択に困惑する事態に至りました。この迷える保守層の受け皿として、平沼新党が期待されたのですが、民主党の鳩山氏が、平沼新党との連携強化を打ち出すとなりますと、現状に不満を持つ保守層は、再び行き場を失い、放浪しそうです。

 民主党の鳩山氏は、リベラル派で知られており、氏の政治信条から判断しますと、平沼氏との接点はほとんどなさそうです。平沼氏が伝統尊重ならば、鳩山氏は未来志向であり、平沼氏が国益重視派ならば、鳩山氏は国際協調派です。両者の主張は、さまざまな政策領域において衝突しそうなのです。これでは、キメラか鵺のようです。それでも、もし、両者の接点があるとしますと、平沼氏が郵政民営化を反対したように、両者とも”大きな政府”を志向していることなのかもしれません。あるいは、平沼氏と鳩山氏との連携によって、郵政民営化を白紙に戻すということなのでしょうか。民主党の支持者もまた、鳩山氏と平沼氏の連携の結果を予測できないはずです。

 政党の数が増えたとしましても、国民の選択肢が増えなくては、意味がないように思うのです。”小さな政府”を目指す政党は誕生しそうもありませんし、”財政再建”に真剣に取り組む政党もありません。さらに残念なことに、媚中外交を否定し、自国の国益を守ろうとする政党もありませんし、人権擁護法案や外国人への地方参政権付与法案に反対する政党もありません。

 国民の多くは、こうした重要な政策決定に際して、自らの選択を選挙を通して政治に反映させたいと望んでいるのではないでしょうか。選挙に際しては、各政党は自らの政策方針を明らかにし、政策が一致する政党が連立や連携を組みませんと、民主主義国家でありながら、我が国の政治は、国民不在になってしまうと思うのです。

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