時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

人権擁護法案は憲法第35条違反

 人権擁護法案については、国民の言論や表現の自由の侵害など、様々な観点から憲法違反が疑われていますが、その一つに、住居の不可侵を定めた第35条違反も加えることができるのではないか、と思うのです。

 憲法第35条2項では、以下のように述べています。

「捜査又は押収は、権限を有する司法官憲が発する各別の令状により、これを行う」

 憲法によれば、国民の住居に立ち入るに際しては、裁判所によって発行された令状が必要であって、これがない場合には、如何なる人も、他の人の住居に侵入することはできないことになります。

 それでは、人権擁護法案では、人権侵害行為を疑われた人に対して、人権委員会は、どのような措置がとれると規定しているのでしょうか。この法案の第44条は、特別救済手続きの特別調査として、「当該人権侵害等が現に行われ、又は行われた疑いがあると認める場所の立入検査」ができるとしています。すなわち、人権委員会は委員に、司法官憲でもないのに、立入検査をさせる権利が認められているのです。これは、明らかに、憲法が定める令状主義に反しています。

 法案に、明白なる憲法違反行為を記しておきながら、何故、国会に提出されようとしているのか、全く不思議でなりません。人権擁護法案は、違憲問題に留まらず、我が国の社会を根底から破壊する可能性を秘めているのですから、廃案とするのが妥当なのではないか、と思うのです。

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