時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

政治は対話と議論

 麻生首相所信表明演説において、民主党に対して質問を投げかけたことは、国会のルールに反するとする批判の声も聞かれます。しかしながら、政治の本質を考えますと、むしろ、対話方式の方が、議会のあり方としては望ましいと考えられるのです。

 かつて、ヘーゲルは、弁証法を用いて歴史の発展を説明しましたが、この弁証法なるものは、元をただせばソクラテスの対話術に行き着くとも言われています。それは、ソクラテスが最初に、対話や議論を繰り返すとによって、少しづづ真実に近づいてゆくことを主張したからです。政治学の始まりの時代に、既に対話の効用が認識されていたことは、大変興味深いことであり、また、本当は、あまり堅苦しい意味もなかったのかもしれません。

 議会において、誠実なる質疑応答が繰り返されることにより、国民は、国政の行方や各党の考え方を言葉で知ることができますし、議員の方々も、より明瞭に問題点を掴むこともできましょう。ぜひとも、国会にあっては、活発な対話と議論をお願いしたいと思うのです。

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