時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

経済システムの総点検を要する金融危機

 金融危機への対応として、政府は、矢継ぎ早に緊急市場対策を実施すると報じられています。もちろん、対処療法も必要なのですが、世界経済全体を見渡した長期的な取り組みも検討すべきではないか、と思うのです。

 たとえば、国際通貨制度ひとつをとりましても、IMFの融資機能の強化が主張されているものの、政府介入やペッグ政策の是非については、本格的な議論は等閑にされているようです。ようやく、円高の急激な昂進を受けて、日本国政府やG7でも、為替市場への協調介入が視野に入ってきばかりです。その一方で、中国や中近東諸国が採用している一種の固定相場制であるペッグ政策については、それが、許されるべきか、否かについては、本格的な議論は始まってもいません。実際のところ、中国の元安政策とそれに依存した輸出攻勢や、オイル・マネーの行方が、実体経済に多大な歪みをもたらしているにもかかわらず・・・。

 世界経済全体を健全化するためには、金融部門や各国別の対策みならず、経済システム全体の総点検が必要なのではないでしょうか。

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