時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

定額給付金の経済効果は検証を

 民主党参議院での採決に合意したことで、定額給付金を含む第二次補正予算は成立の見通しが高まったとのことです。国民の7割以上の反対を押し切って実施されるわけですから、政府は、政策の結果を検証し、国民に報告しなければならないと思うのです。

 以前実施された地域振興券も、政府の事前の説明とは違い、実際には効果の薄いものでした。また、オーストラリアで昨年、低所得者を対象に配られた給付金でも、その多くがギャンブルに使われたとする報告もあります(日経新聞本日付朝刊)。定額給付金は、一時的な効果しか期待できませんし、その使途によっては、消費喚起の効果も半減してしまいます。一人当たり1万2千円では、現在、最も不況に苦しみ、雇用調整を迫られている自動車産業を助けるにもほど遠い額です。海外市場での消費の冷え込みが原因ならば、なおさら定額給付金の効果には限界があると言えましょう。

 それでも、定額給付金を実施するならば、今後のことも考慮し、複数の第三者機関に委託するなど、より正確な政策効果の長期・短期両面の分析を試みるべきです。もし、効果が薄いことが判明したならば、二度と無駄な政策は繰り返してはならないと思うのです。

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