時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

「日本と朝鮮半島2000年」―NHKは無神経

 昨晩、NHKのETV特集として「日本と朝鮮半島2000年」という番組が放送されました。「JAPANデビュー」があまりに酷い内容でしたので、こちらの方も偏向振りが予想され、結局、視聴を見送ることにしました。本日になり、当番組を視聴した方から内容を知らされ、予想の通りであったことを確認しました。

 数ある問題の中で、特に首を傾げるのは、歴史学者による任那日本府の説明であったようです。その説明によりますと、当時の半島の諸国は、日本人の”生口”を求め、半島諸国で使役していたと言うのです。”生口”とは、いわば”奴隷”のことであり、管見の限り、日本国が半島諸国に”生口”を送ったという史料は見当たりません。もし、この説を主張するならば、出典を明らかにすべきですし、日本側の資料によりますと、新羅百済高句麗も日本国に朝貢していたのですから、倭人の”生口”を使役していたとは考えられません。

 このいい加減な説は、日本人の歴史学者の側から言い出しており、この方は、日本国民が、この新説を聞いて、どのように受け止めるのかを考えていなかったようです。立証された史実であるならまだしも、仮説の段階で、自国民が奴隷として輸出されたというショッキングな内容を放送するのは、あまりに無神経と言えましょう。NHKの番組製作の基本的なスタンスは、日本を貶めることにあるとしか思えないのです。

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