時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

世襲と供託金―開かれた選挙のための改革

 国会議員の世襲制限が、政治家になる機会の平等の観点から政治課題として議論されるようになりましたが、もう一つの論点として、各政党は、供託金制度の改革を打ち出してはどうかと思うのです。

 我が国の供託金の高さが群を抜いていることはよく知られており、衆議院小選挙区参議院の選挙区では、300万円という高額になります。また、比例区でも、各政党は、選挙区ごとに名簿登載者一人につき600万を供託しなければなりません。これらの供託金は、得票数が一定の基準を満たさなければ、没収されることになります。これらの供託金は、一種の財産による被選挙権の制限として働いており、特に政治の道を志す若年層に不利となります。供託金の金額を引き下げる、供託金に代わる条件を考案する、あるいは、没収を廃止するなど、何らかの軽減措置を取ることで、立候補のハードルを低くすることはできます。

 世襲制限は注目を浴びていながら、供託金については、これまでのところ、どの政党も議論を提起しておりません。世襲制度の問題と並んで、ぜひ、供託金のあり方も論じていただきたいと思うのです。

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