時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

政府のエコ対策は未来都市の先取り

 政府は、温室効果ガスの15%削減案とともに、太陽光発電の20倍計画、電気自動車の普及、および、省エネ住宅の促進などに対する補助金の付与などをエコ対策として掲げているようです。しかしながら、これらの政策には、いささか疑問な点があるのです。

 というのは、この政策は、いわば未来都市を短期間で実現しようとするようなものであるからです。この結果、日本国の現状を考えますと、国民の負担が偏り過ぎてしまうのです。おそらく、政府としては、太陽発電装置を設置した省エネ住宅に住み、電気自動車に乗っている国民が、理想像なのでしょう。しかしながら、実際の日本国は、大多数の国民が、普通の住宅かアパートやマンションなどの集合住宅に居住していますし、即座に電気自動車に買い替えられるほど余裕があるわけでもありません。つまり、多数の人々が、このエコ政策の恩恵から取り残される可能性があるのです。これらの政策は補助金を伴いますので、財源の負担は、他の国民が負うことになります。また、太陽光発電の余剰電力は、電力会社が二倍価格で買い取ると言うことですが、普及すればするほど電力価格は上昇しますので、企業や発電装置を持たない一般家庭の負担は重くなります(この場合も、結局、発電装置も含めて国民負担となります)。

 エコを実現した未来都市に住む人々のみに恩恵が集中する政策には疑問があり、もし、国民全体を考えるならば、利益や恩恵が均霑する方法を考えるべきではないかとも思うのです。

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