時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

危機的な日本国の政治

 世論調査によりますと、次期衆院選挙後において、首相として相応しい政治家を尋ねたところ、自民党麻生首相が11%、民主党鳩山代表が22%とのことでした(日経新聞本日付朝刊)。どちらも過半数からはほど遠く、国民多数の支持を得られる状況にはありません。このことは、日本国の政治的な危機を表しているとも言えます。

 今日、政治家の世襲が議論されるようになった背景には、日本国の政治システムには、政治家を育てる機能が備わっていなかったことを挙げることができます。会社であれ、何であれ、あらゆる組織には、次世代を担う若手や人材を育成する制度が設けられているものです。本来、政治システムにも、専門家としての政治家を育てる仕組みが組み込まれているべきであり、政界における人材不足は、この制度上の不備に起因しているとも言えます。もちろん、世襲問題で指摘されているように、政治的な利権の継承と独占が、この欠陥の原因の一つなのかもしれませんが、このままでは、我が国の衰退は避けられそうにありません。

 首相公選制の導入も、選挙を通して政治家のディベート能力や説得力などが鍛えられるという側面がありますので、有効な方法かもしれませんが、全ての政治家の能力を鍛えるための政治家養成プログラムの作成は、急務なのではないかと思うのです。政策論争らしい政策論争もなく衆院選に滑りだしそうな現状を見ますと、むしろ、政治の不在を感じるのです。

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