時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

民主党政権は”脱官僚”ではなく”脱国会”?

 ”脱官僚の政治”という言葉からは、政治的意思や政策決定の場が、官僚組織から国会に移るというイメージがあります。しかしながら、政権発足以来の民主党の方向性を見てみますと、どうやら政治家が、国会からこぞって官僚組織に”お引越し”をすることを意味していたようなのです。

 民主党のヴィジョンが官僚組織を政治家が動かすことであるとしますと、新たな日本郵政の総裁の人選が、元大物次官であっても不思議ではありません。民主党は、国会を運営するよりも、官僚組織を、自らの手足として動かすことに情熱を燃やしているからです。そうであるからこそ、国会を開くことなく、重要な政策が立て続けに決定することに、何らの違和感も感じていないのです。民主党の政治運営は、憲法が想定している政治の仕組みから逸脱しているとも言えます。

 政党による官僚組織の掌握は、社会・共産主義国と共通しております。この体制では、国民の代表が集う議会は単なる政府提出法案の承認機関となり、審議・修正の役割は形骸化してしまうのです。重大な国政上の変革が公然と進んでいるにもかかわらず、マスコミや識者が何も言わないことは、極めて不自然であると思うのです。

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