時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

国会議員の仕事は法を作ること

 管副首相・国家戦略担当相は、国会議員を100人を行政組織に配置する法案を、1月の通常国会で通したい意向を示しそうです。この構想が実現されれば、国会議員の役割を踏み越えることになるのではないでしょうか。

 真偽のほどは分かりませんが、管氏は、日本国憲法三権分立を定めてはいない、と発言したと伝わります。近・現代国家の統治の基本モデルは、水平・垂直両面における権力分立ですので、日本国憲法もまた、このモデルを踏襲しております。実際に、憲法第41条では、”国会は、国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である”と述べております。一方、内閣の職務としては、”法律を誠実に執行し、国務を総理すること・・・”とあり、役割分担は明確です。憲法の条文からは、立法を司る国会議員が、執行をも担うことができるとは、到底、解釈することはできません。

 権力分立が崩れると、権力相互のチェック・アンド・バランスが働かなくなり、権力の濫用や権力集中による”独裁”が発生します。この欠点は、権力分立を否定した中国の政治体制を見れば明らかです。”脱官僚政治”を掲げて、わざわざ前近代的な統治システムに戻る必要はないのではないかと思うのです。

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