時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

管財務相の弁明―中国にも言ってほしい為替自由化

 財務相に就任したばかりの管大臣は、昨日の円安誘導発言に対して、”為替は市場が決めるもとと言う認識の中で、それを頭に入れておけばよかった”と弁明したと伝えられております。この言葉、中国政府に対しても伝えていただきたいと思うのです。

 日本国経済が不況、とりわけ、雇用不安に見舞われている理由の一つとして、元安政策を梃子とした、中国製品の安値攻勢を挙げることができます。管財務相が述べるように、為替相場が市場によって決まるのであるならば、経済成長を遂げ、早くも世界第二位の経済大国にのし上がろうとしている中国の人民元の価値が上昇するのが当然です。しかしながら、中国政府は、事実上、ドルにペッグする厳格な為替管理政策を行うことで(元安政策)、不当にも自国の輸出競争力を維持しているのです。

 もし、管財務相が、本心から上記の発言を行ったとすれば、中国政府に対して固定相場政策の是正を求め、人民元の為替取引の自由化を求めてもよいはずです。管財務省の発言を受けて、我が国の株価が上昇したことは、通貨安政策が、輸出産業にプラスに働くことを如実に示しています。図らずも、管財務相は、自らの発言を弁明したことで、中国の通貨政策の不当性を認めたことになったのではないでしょうか。

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