時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

北沢防衛相は軍事のプロである自衛隊の意見に耳を傾けるべき

 北沢防衛大臣が、”信頼してくれ、という言葉だけでは、同盟は維持できない”と発言された陸上自衛隊の連隊長の方を、処分する方向で検討していると報じられています。プロ集団としての自衛隊が、事実を述べただけで処分されるようでは、我が国の防衛は覚束ないと思うのです

 陸自連隊長の言葉には何らの嘘偽りはなく、現実を分析すれば、当然に導かれる結論です。例えば、自衛隊の方が、”現在の装備状況では、我が国の防衛には、無理がある”と発言しただけで、防衛費を削減した政府から、政府の方針に反するとして処分されることと同じことです。防衛に関する周辺諸国の戦力情報や、有事に際しての戦略や戦術のノウハウを保有しているのは自衛隊であり、専門家の視点からの同盟の持続性や防衛の可能性についての発言を禁じますと、いざ、有事という時に、正確で事実に即した判断はできなくなります(もっとも、専門家ではなくとも、信頼してくれ、という言葉で同盟が維持できると信じる人は、少ないのですが・・・)。

 政治家が、過度に軍事に介入しますと、敗戦するというジンクスがあります。政治家は、防衛のプロではないのですから、処分するのではなく、逆に、専門家の意見に耳を傾けるべきと思うのです。

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