時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

学力国際比較への疑問

 OECDが実施した学習到達度調査の結果、ようやく日本国の学力低下に歯止めがかかったと報じられています。しかしながら、この調査結果、どこまで信頼できるのでしょうか。

 もちろん、我が国の成績が下げ止まりの兆候を見せていることは評価すべきですし、また、今後とも、学力アップの努力を続けるべきです。この調査結果において気になる点は、我が国の結果を分析しますと、トップクラスの国と比べると、得点の低い層が多いというのです。我が国だけが、低学力の割合が高いとすると、その理由は、幾つか考えられます。まず考えられるのが、我が国の中学生が、二極化しているということです。最近の報道では、確かに、教育熱心な層と不熱心な層とに分極化しているという記事を読みましたので、あるいは、この現象を反映しているのかもしれません。もう一つ理由を憶測すれば、他の諸国は、成績優秀者が集まる学校を調査対象としているということです。どの国にも、一定の割合で低学力層が存在しているはずですので、我が国だけに多いというのも不自然な感じがします。

 国際比較は、条件を同じにしなければ、意味がありませんので、参加した学校等の詳しいデータがない限り、調査結果に一喜一憂はできないと思うのです。

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