時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

厚生労働省郵便不正事件―証明書偽造こそ国家の重大事

 2008年の北京オリンピックでは、金メダルを獲得した体操女子選手の年齢に疑いが持ち上がったものの、年齢の証明書が当局発行の公式のものであったため、それ以上の追求はできなかったそうです。こうした事件の他にも、あらゆる政府発行の証明書が偽造されているということで、今日では、中国当局の証明書は信頼性に乏しいとみなされています。

 一方、我が国では、政府発行の証明書の信頼性は高く、誰もが、本物であると信じています。厚生労働省郵便不正事件では、村木元局長が無罪となったことから、事件の焦点がずれてしまいましたが、この事件で、最もうれ憂うべきことは、官庁の証明書が偽造されたことであると思うのです。証明書偽造こそ、国家の信頼性を根底から揺るがす大事件であり、その被害は計り知れません。国民は、全ての政府発行の証明書を疑わなければらないのですから。

 この事件は、村木元局長の無罪だけでは終わらせてはならず、元係長の単独犯とされているとはいえ、二度と証明書偽造が起きない仕組みをつくるべきなのではないでしょうか。マスコミが、国民から関心を逸らしているようにしか思えないのです。

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