時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

自然エネルギーの費用対効果

 福島第一原発の事故を受けて、原子力から自然エネルギーへの転換を求める声が大きくなってきたようです。しかしながら、原発と同様に、自然エネルギーの弱点も冷静に評価すべきではないかと思うのです。

 事故の第一責任者である東電は、巨額の賠償を支払う義務を負うため、電力料金の値上げに関心が集まっています。賠償のための値上げには、国民の大半は反対なのですが、自然エネルギーの導入により、電力料金が上昇することにについては、無関心のようです。特に、太陽光発電では、設備の価格が高価な上に、余剰電力を電力会社に販売すると、その分、電力料金に跳ね返ります。つまり、現状では、自然エネルギーが普及すればするほど、設備を購入できない家庭では、負担増となる仕組みなのです。

 神奈川県では、黒岩知事が、6億円余りを投じて県施設にも太陽光発電設備を設置するそうですが、発電量は、予定されている56か所で稼働しても800kwに過ぎないそうです。同じ予算であるならば、むしろ、太陽光発電に限らず、自然エネルギー全般の発電効率と低コスト化のための研究・技術開発に投資した方が、有意義なのではないかと思うのです。

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