時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

国際競争力を無視する脱原発原理主義者

 脱原発論者の多くは、産業が空洞化し、国民の多くが路頭に迷い、日本国が先進国から脱落しても、脱原発こそ最優先すべき、と主張しています。絶対価値を脱原発に置く人々は、脱原発原理主義者と命名できそうです。

 菅首相をはじめ、脱原発論者は、自国の国際競争力をどのように考えているのでしょうか。電力供給不足と高値の電気料金は、国際競争力において劣位する要因であることは疑いようもありません。原発の再稼働が先延ばしになるほど企業の国際競争力は低下し、再生エネ法が可決されれば、これに輪をかけて悪化します。エネルギー資源の輸入の増加と輸出の減少により、国際収支が赤字に転じ、日本国もまた、”双子の赤字”に苦しむことにもなるのです。脱原発論者にとりましては、痛くも痒くもないかもしれませんが、経済の停滞は、大多数の国民の生活にダメージを与えます。

 あらゆる犠牲を厭わない原理主義者は、他者をも悲劇に巻き込むものです。世論調査では、脱原発を支持する声も強いようですが、原発のメリットや将来性についても公平に評価し、冷静に判断する必要があるのではないかと思うのです。

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