時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

国土交通省は国民の声を聞いて

 一昨日の日経新聞の一面に、国土交通省が目下計画している、省エネ促進のための新築住宅に対する新たな建築基準に関する記事が掲載されていました。この案によりますと、2020年から、新築家屋やビルディングには、断熱材の使用や太陽光発電施設の設置などを、全面的に義務付けると言うのです。

 一か月ほど前に、大阪府太陽光発電装置の義務付けに関してアンケート調査を実施したところ、80%以上の人々が反対、との結果でした。その第一の反対理由は、費用がかかるというものです。現状では、200万円から300万円のコストがかかり、国土交通省の試算でも、住宅価格が10%ほどアップするそうです。エネルギー政策の行方は不透明ですが、太陽光発電については、メンテナンス作業や発電効率の低さが指摘されており、現在の技術段階での普及には、問題もあります(余剰電力買い取り制度が維持されていれば、電力料金もアップ…)。また、新築全戸義務付けとなりますと、屋根瓦が消えることになり、日本国の風景も一変することになります。

 このように、(1)国民負担の増加、(2)効率性、(3)景観…など、まだまだ議論すべき点が多いのですから、国土交通省は、国民の声を聞くべきです。一方的に義務化となりますと、国民への押し付けになるのではないかと思うのです。

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