時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

マニフェストと議会制度は矛盾する?

 選挙の際に、各政党が政策一覧を掲げて闘うマニフェスト方式。すっかり定着した感もありますが、問題点も少なくありません。例えば、マニフェスト方式と議会制度は矛盾する可能性もあります。

 ”政治は数”と主張する人々もいますが、議会制度とは、法を制定するに際して、賛否両論から議論を行い、必要な修正を施しながら、合意を形成するために設けられた制度でもあります。いわば、法案の審議・修正の機関でもあり、多数決を行うためのみに存在しているわけではありません。採決は、審議を尽くした後に行われるのです。一方、選挙で過半数を獲得した政権与党が、マニフェストの一文一句違わないように政策を実施しなければらなないとなりますと、この議会における審議と修正の過程は不要と言うことになります。つまり、議会での法案の審議・修正の余地が失われてしまうのです。

 マニフェスト方式は、政治家への白紙委任とはならず、国民が、政策を選択できるという評価すべきメリットがありますが、この方式の欠陥は、是正すべき課題です。今日の民主党政権の暴走と混乱は、議会機能の低下にも帰されるのではないかと思うのです。

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