時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

リーダーシップ型民主主義は時代の先端か

 何かと注目を集めている大阪維新の会は、政策綱領として「船中八策」を公表し、いよいよ国政進出の準備を整えつつあります。八策の中には首相公選制も含まれていますが、ハシズム流の公選制には、不安もあります。

 不安な理由とは、橋下氏の構想している首相公選制とは、選挙に選ばれた人物が、”民意”を代表する者として、絶対的な権力を振うスタイルであるからです。選挙で選んだか最後、国民は、その人物の政策に否が応でも従わされるという形態であり、民主主義から独裁者が出現するプロセスの合法化と見なすことができます。首相公選制そのものは、頭から否定すべき制度ではありませんが、独裁型である場合には、ナチス・ドイツの悪夢が過ります。

 独裁型民主主義、よりソフトな言い方をすれば、リーダーシップ型民主主義が、果たして時代の先端となるべき政治形態であるのか、疑問なところです。むしろ、過去に消え去ったはずの亡霊が、呼び覚まされるかもしれないのですから。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。

<a href="https://blog.with2.net/in.php?626231">人気ブログランキングへ</a>