時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

明治と平成の”維新”は正反対

 最近、明治維新と言いますと、何故か、テレビドラマなどでも、坂本竜馬が中心人物のように扱われており、大阪の維新の会でも、竜馬にあやかって「船中八策」を政策綱領として作成するそうです。しかしながら、明治と平成の維新とでは、目指すべき方向も、時代の光景も、全く違っていると思うのです。

 明治維新とは、幕藩体制の下にありながら、各藩の若き志士達が、分権的な状況から脱却し、近代日本の建設に立ちあがったところに特徴があります。高杉晋作久坂玄瑞西郷隆盛、木戸孝充、大久保利通…等の名が知られるところですが、全国各藩から、数多くの改革者達が一斉に出現し、いわば、”志士達の群像”をなしていたのです。坂本竜馬もそのひとりに過ぎませんでした。一方、現在の維新は、明治時代とは逆方向に、日本国の分権化の方向に導こうとしています。しかも、群像ではなく、橋下徹氏一人ののリーダーシップ寄りかかっているのです。

 同じ維新という言葉を掲げていても、その内容を吟味してみますと、明治と平成とでは、正反対です。果たして、この違いに、どれだけの人々が気付いているのか、不安でもあるのです。

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