時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

NHK「平清盛」―反社会的ドラマでは

 NHK大河ドラマ、「平清盛」の視聴率は、さらに低下したと報じられています。低視聴率の原因については、専門家などから様々要因が指摘されていますが、この作品の設定に含まれている反社会性もマイナス要因なのではないかと思うのです。

 実のところ、筆者自身はこの番組を視聴しておらず、伝聞から憶測しているに過ぎないのですが、先週の放送では、主人公による”海賊の王になる”といった台詞があったそうです。ソマリア沖では、現在でも海賊が出没しおり、海賊とは、いわば、他の商船から荷物や人を奪う海の”泥棒”であり”掠奪者”です。海賊が弱き者の味方のはずもなく、現実の清盛もまた、後に軍事力と財力に物を言わせて、政界のトップに上り詰めてゆきます。「平清盛」は、”海賊の王”が権力を握り、結局、国を私物化して国民を苦しめる展開となるのですから、悪人の出世物語以外の何物でもありません。窃盗を是認し、かつ、悪人による政権掌握に対してプラス評価をしている点において、この作品は、反社会的なのです(北朝鮮のよう…)。

 NHKの説明によれば、この作品には、勝者が敗者を悪人に描いてきたことに対する批判が込められているそうです。しかしながら、当のNHKもまた、その逆バージョンを試みているのではないでしょうか。奢れる勝者(NHK)は、悪人を善人に描いているのですから。

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