時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

残念な被災地の子どもたちの要望

 昨日、ニュースを見ておりましたところ、被災地の子どもたちが大臣室を訪問して懇談すると企画が報じられていました。この映像で驚いたことは、子どもたちの一人が、学校の校庭に建設されている仮設住宅を撤去してほしい、と要請したことです。

 この要望、我儘なのではないかと思うのです。被災地の子どもたちは、東日本震災により心身ともにダメージを受けたのですから、充分なケアが必要なことは言うまでもないことです。しかしながら、そうであるからといって、どのような要求をしてもよい、ということにはなりません。仮設住宅は、公費によってようやく建設され、既に被災された方々が入居し、慣れない生活を送っております。校庭から別の場所に移転させるとしますと、費用もかかることに加えて、入居者の方々にも迷惑をかけることになるのです。

 大臣は、子どもたちの要望を受け入れる口振りでしたが、ここは、仮設住宅で暮らしている人々のことにも思い至るように、諭すべきであったのではないかと思うのです。痛みは分かち合うべできあり、我慢すべき時は我慢することを教えませんと、利己的な人間に育ってしまうのではないかと心配になるのです。

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