時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

不可解な女児放火殺人再審決定

 昨日、大阪地裁において、平成7年に起きた女児放火殺人事件の再審を認めることを決定したとする報道がありました。事件のあらましについては、新聞やテレビの報道だけでは、詳細までは分からないのですが、腑に落ちない点も少なくありません。

 再審が認められた理由は、自白に基づいて検証実験した結果、ガソリンを蒔いてライターで点火しなくとも、風呂釜の種火からガソリンに引火することがあり得ることが判明したからなそうです。しかしながら、服役中の受刑者は、二人ですので、二人が二人、同じ内容の嘘の自白を示し合わせたように供述したとは思えません。また、たとえ、実証実験の結果、自白とは違う方法で火事が起きることが立証できたとしても、犯人は、ライターではなく(もっとも、導火線を引いた入り、遠くからライターを投げ込むことも…)、別の方法で火を付けたのかもしれません(ライターで直接ガソリンに火を付ければ、自らの火傷することは容易に予測できる・・・)。そもそも、自動車から、大量のガソリンが自然に床に漏れるはずもなく、この点も、不可解です。DNA鑑定とは違いますので、この実証実験が、”新証拠”と認められるほどの証拠力があるとは思えないのです。

 もし、自白に嘘があると主張し、別の方法でも事件は起き得ることを実験で示せば、再審が認められる、となれば、今後も、相次いで同じような理由で再審が請求されるかもしれません。もちろん、冤罪事件である可能性もあるのですが、マスコミが、喜々としてこうした事件を報じる時には、心のどこかで、警戒心が働いてしまうのです。

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