時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

東日本大震災から1年―”新しい日本”のパラドクス

 本日、東日本大震災から丁度1年目の日を迎えました。政府主催の追悼式典のみならず、各地で慰霊のための行事が催されているそうです。尊い命を失い、犠牲となられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

 ところで、大震災から1年を迎えるに当たって、野田首相は、米紙への寄稿文で、”新しい日本”の建設を打ち出したそうです。”古い日本”に戻るのではなく、”新しい日本”を目指すと・・・。より良い未来に向かって進むこと自体は、望ましいことではありますが、復旧さえもままならない状況で、ハードルの高い目標を理想として掲げますと、現実との間にギャップが生じ、逆に、復興を遅らせてしまうことにもなります。民主党政権の政策を見ていますと、震災を契機として、”古い日本”を破壊し、”新し日本”のために”更地”にしようとしているようにも思えてくるのです。

 現代も未来も、過去からの延長線上にあるのですから、乱暴に過去を取り除こうとしますと、未来への土台をも破壊することになりかねません。復興が遅れている原因は、民主党政権の”古い日本”壊しにもあるのではないかと思うのです。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。

<a href="https://blog.with2.net/in.php?626231">人気ブログランキングへ</a>