時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

電力料金の値上がりと原発事故とではどちらが倒産を増やすのか

 原発の再稼働と電力料金とは、トレード・オフの関係にあります。再稼働させれば、電力料金は下がり、再稼働を停止すれば、電力料金は上がります。今般、橋下大阪市長は、原発再稼働の8条件を公表しましたが、再稼働を停止した場合のリスクについては、全く、無視を決め込んでいるようです。

 しかも、8条件の中には、電発事故が発生した場合の倒産リスクを最小化することが掲げられています。企業倒産を懸念するならば、電力料金の値上がりによる企業倒産の数の方が、はるかに多くなるのではないでしょうか。再生エネ法の施行を7月に控えていますので、関西電力でも、10%以上の電力料金の値上げが起きるかもしれません。電力依存度の高い業界にとりましては、まさに死活問題です。

 橋下市長は、反・脱原発の立場から、原発被害に対する対策については熱心ですが、原発再稼働の遅れによる損害については、何らの対策もとっていません。原発事故が起きる確率は高くはありませんが、電力危機は、100%の確率で現に進行中なのですから、政治家として、後者の問題にこそ、熱心に取り組むべきと思うのです。

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