時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

核燃料サイクル計画は放棄すべきなのか

 核廃棄物の処理問題は、脱・反原発派の人々が、しばしば反対の根拠として引き出してくる問題です。政府は、核燃料サイクルについても、見直し作業を進めていますが、核燃料サイクル計画は、放棄すべきなのでしょうか。

 近年、世界各地でシェールガスが採掘できるようになったこともあって、エネルギー資源枯渇問題は、緩和されたととの見方が広がっています。反・脱原発派の人々にとりましても、新たなエネルギー源の登場は追い風となっていますが、それでも、シェールガスの埋蔵量は、現在の天然ガス使用量で換算すれば、60年分にしか相当しないそうです。日本国の周辺の海底に眠っているとされるメタンハイドレートもまた、”日本で消費される天然ガス”の約96年分とされています。あらゆる天然資源は有限であり、新たなエネルギー源の発見は、資源枯渇の時期が先延ばしになったに過ぎないのです。今後、新興国を含め、全ての諸国が経済成長を遂げてゆくとなりますと、資源枯渇問題の克服は、重要な課題です。

 将来性を考えれば、コスト面だけで存廃を判断することは、エネルギー問題解決の道の一つ閉ざすことになりかねません。核融合技術は先の先の技術ですし、核廃棄物からさらにエネルギー源を抽出できるならば、これ程、有益な廃棄物処理方法もないのではないでしょうか。

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