時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

石油枯渇問題―原子力発での維持を

 一頃、盛んに取り沙汰された石油の枯渇問題は、近年の石油採掘技術の進歩により、先送りされた観がありました。ところが、イギリスの石油大手BP社のチーフエコノミストの方の見解によりますと、中国など新興国の需要増加により、石油の埋蔵量は、後、54年分しかないそうなのです。

 反・脱原発論者は、原子力は人類の管理能力を越えた危険な技術と決めつけていますが、人類が、一定の生活レベルを維持するためには、大量のエネルギーの消費を要します。経済の成長過程にある新興国では、家庭での電化製品などの使用も増えますし、先進国でも、EV車の普及やリニア・モーターカーの実用化には、大量の安定したエネルギー供給が必要です。再生エネに期待する声もありますが、生活のみならず、産業を支えるほどのエネルギーを大量に生み出すことができる技術は、将来的な熱核融合を含めて、今のところ、原子力しかありません。

 エネルギー政策の分野とは、時代や状況の変化に応じて柔軟に対応すべき分野なのですが、石油枯渇問題を考慮しますと、反・脱原発の路線は、人類に深刻なエネルギー不足をもたらす恐れがあります。将来の人類のためにも、原子力技術の灯を消すことは、賢明な策とは思えないのです。

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