時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

維新八策の国家ビジョンは再分配国家?

 国政への進出を狙っている大阪維新の会は、先に公表した船中八策を練り直し、新たに「維新八策」を発表したそうです。この政策綱領を読みますと、維新の会の目指す国家像とは、再分配国家なのではないかと思うのです。

 維新の会では、「小さな政府」を目指すとしていますが、再分配機能を強化しますと、財政規模は拡大しますので、「大きな政府」になるはずです。今回の綱領では、さずがにベーシックインカムの名は見られませんが、失業対策・年金・生活保護の一元化については、看板を下ろしていないようです。ベーシックインカムを実現しますと、100兆円を越える必要とのことですので、今回の修正案でも、予算規模は、現状を遥かに上回ることが予想されます。財源は、相続税の強化などに賄うとされていますので、再分配機能が強化されるのです(維新の会は共産主義ではないかと指摘される理由でもある…)。それでは、何故、「小さな政府」を言い出しているのかと言いますと、政府の仕事は再分配機能に特化し、他の政策領域については、国民に丸投げするか、あるいは、敢えて詳述せずに”白紙委任”状態とし、自らが”首相”に公選された暁には、これを利用して独裁体制を敷こうとしているのかもしれません。不安を覚えるほど、他の政策領域については、等閑なのです。

 維新八策の国家ヴィジョンは、独裁を目指す橋下大阪市長にとりましては、理想郷なのでしょうが、国民一般の活力を引き出すような魅力的なヴィジョンとは思えません。むしろ、停滞した国家を想像していしまうのは、私だけでしょうか。

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