時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

反・脱原発デモとサイレント・マジョリティー

 毎週金曜日、首相官邸前では、反・脱原発デモが繰り広げられており、先週末には、警察発表で1万7千人もの参加者があったそうです。デモに参加している人々は、自らの主張を”国民の声”とみなしていますが、本当に、そうなのでしょうか?

 昨晩、NHKスペシャルでは、エネルギー政策に関する討論番組を放映していましたが、番組の最後の方で、原発比率(1)0%、(2)15%、および、(3)20~25%、(4)よく分からない、の四択に対する、視聴者の投票結果を公開していました。投票者は、あらかじめNHKが選んでいるそうですので、偏向している可能性もあるのですが、それでも、原発0%の(1)を選択した人々は、全体の44%でした。四択のうち、この回答のパーセンテージが確かに一番高いものの、残りの56%の人々は、原発ゼロを望んでいないことになります(よく分からないは、確か、一ケタ台であったはず…)。このことは、デモが声高に反・脱原発を叫ぶ一方で、多くの人々が、サイレント・マジョリティーとして原発の維持を支持していることを示唆しています。

 エネルギー政策は、雇用問題や国民所得にも直結するのですから、デモに参加した人々は、サイレント・マジョリティーの意見があることにも配慮すべきです。ゆめゆめ、反・脱原発の主張を、全国民の一致した意見であるかの如く、断言してはならないと思うのです。

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