時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

オリンピック開会式選手団退場事件―がれきメダル説の真偽

 ロンドン・オリンピックの開会式の入場行進に際して、日本選手団が、強制的に退場させられてしまった事件。IOCによる公式の発表はなく、真相は、まだ明らかにはなっていないようです。

 こうした中で、強制退場の原因は、がれきメダルにあったのではないかとする説が流布しているようです。がれきメダルとは、東日本大震災で被害を受けた石巻市のがれきから造られ、復興を願って選手達に贈られたそうです。大会主催者側は、このがれきメダルの情報を入手し、他の国の選手達や会場の出席者が放射能汚染を受けないよう、隔離したというのです。しかしながら、がれきは、福島のものでもありませんし、隔離するならば、スタジアムの外の待機場において既に行われているはずです。また、科学的な知見からしますと、主催者側が、小さな木製のがれきメダルから発せられる放射能が、人体に甚大な影響を与えると信じ込んでいたとも思えません(それでは、日本選手の方が極めて危険な状態に置かれていることになる・・・)。百歩譲って、がれきメダルが原因であったとしても、主催者側から、メダルの装着か、退場かの選択肢を予め提示されていたはずであり、日本側が、敢えて後者の退場を選んだとは考えられないのです。

 このがれきメタル説、合理性に欠けていますので、偽情報である確率は極めて高いのではないでしょうか。むしろ、こうした怪しげな説が流されていることに、この事件の裏に、真相を隠したい何らかの勢力が蠢いている気配を感じるのです。

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