時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

日本維新の会―裏目に出た”逆手戦略”?

 日本維新の会の”鵺”的な性格は、既に、各方面から指摘されています。本日の記事では、日本維新の会について、一つの仮説を立ててみようと思うのです。

 政治的な戦略の一つに、ある目標を達成するためには、敢えて、その目標の反対者の中に紛れ、内側から反対勢力を潰してしまうという方法があります。あるいは、反対勢力を味方に付けることで、反対そのものを封じてしまう、という手もあります。味方を批判したり、疑ったりすることは、誰もが、躊躇するものですので。こうした手法は、”逆手戦略”とも呼べるものですが、近年では、左派と右派が入れ替わってしまったのではないか、と思われる現象も珍しくはありません。日本維新の会にも、左派と対立する保守政党というスタンスにありながら、政策については、全く逆であるという特徴があります。保守層や無党派層をターゲットととしてアピールし、派手に左派との激しい対立を演出しながら、その実、実現しようとしてる国家ビジョンは、対立しているはずの左派に近いのです。

 最近の世論調査では、維新の会の支持率は低下傾向にあり、疑問の声の方が寄せられています。その原因は、”逆手戦略”が露骨過ぎたからではないかと思うのです。”逆手戦略”は、人々が気付かないうちは有効ですが、気付かれてしまったが最後、その効力は消えてしまい、右派も左派も双方とも離れて行ってしまいます。以上に述べたことは、仮説に過ぎませんが、国民は、この”逆手戦略”に対しては、警戒すべきと思うのです。

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