時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

脱・反原発運動―巧妙な”四面楚歌作戦”では?

 本月16日の衆議院選挙を控え、各政党の選挙公約が出揃ってきました。原発政策を見ますと、自民党を除いて(維新の会は揺れているらしい…)殆どの政党が、脱原発や卒原発を掲げています。各政党とも、世論は、脱・反原発と読んでいるようですが、本当に、そうなのでしょうか。

 福島第一原発の事故以来、マスコミの反・脱原発誘導には、凄まじいものがありました。中立・公平であるべきNHKまでも、露骨なほどの誘導を繰り返してきたのですから、一定の効果はあったのかもしれません。しかしながら、国民は、日々、電力不足や電力料金の値上がりに直面しており、自らの失業を招くような自滅政策に賛成しているとは思えません。脱・反原発運動とは、実は、巧妙なる”四面楚歌作戦”ではないかと疑うのです。漢を建国した劉邦は、覇を争った項羽を自刃に追い詰める際に、項羽の陣を包囲した自らの兵士達に項羽の故郷である楚の歌を歌わせます。楚の歌を聴いた項羽は、自らの同郷の者たちまでもが劉邦の味方になったのか、と思い込んで観念し、自らの命を断つのです。この故事を参考とした”四面楚歌作戦”とは、現実には少数であるにもかかわらず、多数の見せかけることで、相手を諦めさせるいうものです。脱・反原発運動に当て嵌めますと、マスコミは、全国民が、脱・反原発の賛同者であり、世論の大勢であると見せかけ、この方針に対する反対や非難の声を封じようとしていることになるのです。

 ”四面楚歌作戦”は、脱・反原発運動のみならず、他の様々な工作活動にも用いられている、マスコミの常套手段でもあるようです(小沢氏などの政治家も用いているのでは?)。選挙は、国民の判断力が試される場でもありますが、こうした”四面楚歌作戦”があることを知っていれば、国民も、おいそれとは、騙されなくなるのではないかと思うのです(もちろん、振り込め詐欺のように、手口を知ってても、騙される人もいるのですが…)。

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