時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

反原発勢力の方針転換-世論誘導から活断層判定へ

 昨日、原子力規制委員会が示した敦賀原発に関する活断層の判定を受けて、マスコミ各紙は、敦賀原発2号機は廃炉となる可能性が高いと報じました。日本電源が公開の質問状を提出して回答を迫ったように、この判定、かなり疑わしいのですが、拙速な判定の背景には、反原発運動の方針転換もあったのではないかと思うのです。

 今月16日の総選挙を控え、政党の多くは、脱原発、反原発、卒原発…と、原発に反対する選挙公約を掲げました。これまで、政府もマスコミも、積極的に世論誘導を行ってきましたので、世論は反原発にあり、と読んだのでしょう。しかしながら、現実には、国民が、反原発に傾いたわけではなく、電力料金の高騰も予測される中、逆に、反原発運動に対する風当たりも強くなってきています。そこで、反原発派の人々は、世論誘導路線を諦めて、原子力規制委員会を動かすことを考えたのではないでしょうか。原子力規制委員会活断層の判定が出れば、民意を無視しても、脱原発が実現できると…。

 活断層の判定は専門家でも難しく、意見が分かれる場合も多々あるそうです。にも拘らず、活断層説を主張する専門家だけを選べば、当然に、問題の断層は、”活断層”に認定されるに決まっています。しかも、活断層が新たに見つかったとしても、設置時の認定の際には許可されており、また、後から基準を変えたのですから、通常は、遡及効果は及ばないものです。廃炉による経済や国民生活への影響は計り知れないのですから、安全性の向上を図りつつ、上手に原発を受かってゆくべきではないかと思うのです。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。

<a href="https://blog.with2.net/in.php?626231">人気ブログランキングへ</a>