時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

原子力規制委員会-暴走する活断層認定

 法律によって、活断層の上に原発を建設することは禁じられているため、原子力規制委員会の調査と判断は、原発再稼働の行方を左右することになりました(法律ではなく、指針とする情報もあり、確認できておりません。少なくとも、原子炉規制法には、活断層に関する規定はないようです…)。しかしながら、そもそも、活断層の存在は、事故の発生とどの程度の影響を与えるのでしょうか。

 最近に至り、相次いで、既存の原発の地下には活断層が走っている、との疑いが各地で持ち上がるようになりました。その背景には、先の法律があることは疑いないのですが、地震の発生によって、必ずしも活断層が、破壊的な方向に動くとは限らないのではないかと思うのです。中越地震では、柏崎原発は重大な事故には至りませんでしたが、この原発の地下にも、今日では、活断層があると主張されています(活断層説が正しければ、活断層の存在は、事故の発生を確定するわけではない…)。国民の多くは、活断層があれば、地震によって、即、地割れが起き、原子炉施設も崩壊する、とイメージしているようですが、地震の種類などよって、地下の断層がどれほどの影響を受けるのかは、様々なデータに基づいて、シミュレーションしてみなければ、分からないのではないでしょうか。活断層の認定=事故の発生ではなく、地震のタイプ別の確率によるリスク評価も必要なのではないかと思うのです。

 調査団は、地質学者で構成されており、民主党政権が、”活断層の発見”に期待をかけていることが伺えます。科学的には意見が分かれていても、規制委員会が活断層と言えば、活断層となるのですから、原子力規制委員会は、暴走気味の嫌いがあるのです。建設時には問題なしとされたのですから、国が既に許可を与えた既存の原発に関しては、活断層の存在のみを判定基準とはせず、多面的なリスク評価をも加えるべきと思うのです(安全強化で対応できる場合には、廃炉とはしない…)。

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