時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

反省なき民主党の行方

 報道各社が実施した世論調査の結果では、民主党に対する支持率は10%前後に過ぎず、わずか3年あまりしか経過していないにも拘わらず、前回の選挙とは、隔世の感があります。小党転落への危機感からか、民主党は、自民党政権時代を批判することで、党勢の挽回を図っているそうです。

 しかしながら、民主党が、自民党政権時代を批判しても、有権権者からの支持が劇的に回復するとは思えません。何故ならば、前回の選挙において、国民の多くが期待したのは、自民党政権の悪しき点を民主党が是正することにあったからです。つまり、自民党から民主党への政権交代は、より良い政治を実現するための、ステップと考えられていたのです。ところが、実際に、民主党政権が成立してみますと、自民党政権のマイナス面を改革するどころか、改悪の泥沼に嵌り込んでゆきました。日米同盟は揺らぎ、経済の6重苦は放置され、東北の震災復興もおざなりにされた上に、深刻な電力危機も発生しました。統治経験不足と相まって、日本国の土台までもが崩れそうななったのですから、国民の期待は、一気にしぼむことになったのです。

 もし、民主党政権が、国民の期待に応え、誰もが、”政権交代してよかった”と感じる政治を実現していたならば、今頃、民主党は、選挙で苦戦することはなかったことでしょう。3年と4カ月の間の民主党政権の実績への偽らざる評価が、選挙結果として現れていることを、民主党は、真摯に受け止めるべきと思うのです。

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