時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

対馬の仏像窃盗問題-韓国の主張に偏るマスコミ

 本日、対馬の観音寺に、盗まれた観世音菩薩坐像の所有権を主張している韓国の浮石寺の僧侶が、ついに現れたそうです。珍しく、日本国のテレビ各局もこの事件を取材しておりましたが、心配していた通り、韓国寄りに論点をずらした解説が少なくありませんでした。

 そもそも、この事件、疑いようのない窃盗事件なのですから、韓国側に非があることは明白です。にも拘わらず、キャスターやコメンテータの姿勢は、日韓両国ともに言い分があるような口ぶりなのです。しかも、韓国側に不利な情報はできるかぎり伏せ、世界各国で起きている略奪文化財の返還問題にすり替えている局もありました。おそらく、この局は、韓国による倭寇による略奪説を日本の視聴者に刷りこみたいのでしょう(もっとも、別の局では、韓国の文献には、倭寇が寺社を襲って仏像を略奪したと言う記録は一切残っていないとする、対馬市側の説明を放映…)。李朝時代の仏教弾圧を考慮すれば、略奪説の方がはるかに信憑性が低いのですから、略奪を前提に番組を編成した時点で、この局は、日本国の民放であるにも拘わらず、韓国側に偏っていることになります。しかも、それは、番組で紹介したようなヨーロッパ諸国による植民地時代のでき事とは違い、700年も前のことなのです(同一の歴史的な状況にはない…)。加えて、本来、文化財の窃盗事件ですので、国家間で処理すべき問題でありながら、あわよくば、民間での解決に持ち込みたい韓国側の思惑も見え隠れしていました。

 韓国政府の息のかかったマスコミのことですから、世論を巧みに誘導することで、韓国側に有利な方向に導こうとしているのかもしれません(法治国家としての日本国を、韓国のレベルに引き下げるつもり…)。先日、菅官房長官は、韓国政府に仏像の返却を求めたことを公表していましたが、日本国政府は、観音寺が韓国政府やマスコミの不当な圧力にさらされないよう、観音寺をサポートするべきではないでしょうか。

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