時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

高市氏の本意から判断を―反原発だけが正義ではない

 ”原発事故で死者は出なかった”と発言したことから、高市自民党政調会長が、党内外から批判を浴びているそうです。ご本人は、発言を撤回した上で、謝罪したと報じられております。

 高市氏が、福島県で避難されている方々を愚弄するために、あるいは、憤慨させるために、悪意を以ってこの発言をしたのではないことは確かなことです。氏が言いたかったことは、”福島原発事故は、深刻な事故でありながらも、幸いにして放射線被害を直接的な原因とする死亡者は、今のところは報告されておらず、今後、原発再稼働したとしても、そのリスクは管理可能なレベルである。”ということであったのではないかと思うのです。マスコミなどの報道により、反原発派の人々のみが国民を重視していると見なされがちですが、原発が停止されたことによる国民の負担や損害も、相当なものです。年間、3兆円ともされる莫大な額の国富が代替エネルギーを確保するために流出していますし、電力料金の値上げと電力不足は、産業にも国民生活にも悪影響を与えています。再稼働がままならぬことで、職を失う国民も少なくないのです。国民負担の軽減を考えて、高市氏が当発言をしたとしますと、無下に、批判はできないのではないでしょうか。政治家の発言は、揚げ足を取るよりも、真意を汲み取ることこそ、大事なことです。

 原発再稼働容認派の主張にも一理があり、また、国民を慮るもののであるならば、一方的な高市氏批判は、非寛容的な態度です。批判一辺倒なマスコミの論調が、言論の封殺に繋がるとしますと、”魔女狩り”に等しくなるのではないかと思うのです。

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