時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

対馬における韓国企業による自衛隊隣接地購入問題―土地利用の設定はWTOの枠外

 昨日、小野寺五典防衛相が、海上自衛隊の基地周辺の土地を韓国系企業が買い漁っている件に関連して、現状の視察に対馬を訪れたそうです。観光事業が目的であるならば、自衛隊基地周辺に集中する必要はありませんので、韓国企業の土地購入の背景には、政治的な意図が隠されていることは、容易に推測されます。

 マスコミ報道によれば、外国企業に対する土地取引の規制は難しく、”財産権や土地取得で国籍の差別をしないと定めたWTO協定に抵触する恐れがある”と説明しています。この見解、実は、民主党政権時代の平成23年5月に、水源地の外資による購入問題に関連して、外交防衛委員会において当時の外務副大臣が述べた発言に基づいているようなのです(外国人の土地取得規制は、”内国民待遇を定めたGATS 協定第17 条第1項の規定に反する…)しかしながら、そもそも、GATSは、サービス貿易に関する協定です。こうした国際協定は、政府による土地利用の設定を拘束するものではありませんので、自衛隊基地周辺に一定幅の地域を設定し、安全保障上の警戒地帯に指定し、外国人の土地取得や土地利用を制限しても、GASTの協定違反とはならないと考えられるのです。おそらく、日本国以外のWTO加盟国でも、国防上の理由から同様の制限が存在しているはずです。

 韓国による官民一体となった対馬に対する工作活動は、対馬の領有権を主張した前科があるだけに、警戒して然るべきです。仮に、韓国が批判をしてきた場合には、日本国政府は、WTOでの紛争解決を勧めればよいのではないかと思うのです。

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