時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

NHKで紹介されたソフトバンク・ロボットへの疑問

 昨晩のNHKニュース9において、ソフト・バンクが販売予定のロボットを紹介しておりました。一企業の製品の宣伝ともなりかねず、またもやその背景が疑われるところですが、このロボット自身にも問題があるのではないかと思うのです。
 
 新聞等でもこのロボットの性能等が説明されていますが、ロボット自身が判断して質問に答えるといった機能が搭載されているそうです。使用者との質疑応答を通してロボットの”性格”が育ってゆくために、全ての会話は、音声データとして管理センターに送られる仕組みとなっています。このことは、対話者の声のみならず、室内やロボットの周辺にいる人々の会話やがすべて収集され、外部に持ち出されることを意味しています。いわば、”盗聴ロボット”ともなりかねない危険性を含んでいるのです。憲法第21条には、通信の秘密を定めていますし(会話も通信では?)、第35条にも住居の不可侵を定めていますが、他者の家庭での音声情報の収集は、これらの条文などに違反するのではないでしょうか。
 
 プライバシーの侵害ともなりかねない製品の販売については、政府当局も、厳重な審査を行うべきです。通信事業者については、以前からも情報漏洩の問題が指摘されておりましたが(バック・ドア問題)、日本国政府は、外部者に情報を掌握される危険について認識が薄すぎると思うのです。
 
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