時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

不正選挙問題-選挙管理委員会がターゲット?

 一昨日、高松市において、白票を水増しした廉で選挙管理委員会の職員3人が逮捕されました。不正選挙という、選挙結果の正当性をも左右しかねない重大事件なのですが、この事件は、現行の選挙管理制度の欠陥とリスクを端的に表しています。
 
 ひと昔前までは、不正選挙と言いますと、候補者が有権者に対して買収や饗応といった手段で票を不正に集める姿としてイメージされていました。しかしながら、今日の不正は、より大胆、かつ、巧妙化しているのではないかと思うのです。数万といった数の有権者から票を買いますと、候補者の不審な行動は否が応でも目立ちますし、誰ともなく証人が現れて、直ぐに表面化してしまいます。一方、投票後の選挙管理のレベルで不正を実行すれば、有権者の見えないところで、一瞬にして大量の票数を操作することができるのです。自宅訪問や宴会への招待などによって、有権者一人一人に密かに接触するよりも、はるかに発覚の可能性が低く、確実に不正ができるのですから、悪しき意図を持った候補者、あるいは、政治団体であれば、この方法を模索する動機があります。訪問型や饗応型の買収が減少する中、それでも、”選挙には多額の資金がかかる!”と言われているのも、不正のレベルが、有権者から選管に移行しているからなのかもしれません。
 
 以上の見解は、悲観的に過ぎるでしょうか。この事件は、氷山の一角であるかもしれませんので、選管制度に対しては、外部チェック機関を設けたり、開票・集計作業を透明化するといった抜本的な改革が必要なのではないかと思うのです。
 
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