時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

日本共産党入党者の増加の謎

 共産主義は、政治理論、並びに、経済理論としては破綻しており、現実においても、共産党一党独裁を敷いている中国では、深刻な言論弾圧や異民族迫害が続いています。にも拘らず、最近、日本共産党の入党者が増加していると報じられています。
 
 真偽のほどは分かりませんが、今年に入ってからの入党者は、12000人に上るそうです。共産党からしますと、アベノミクスによって広がった生活不安を背景に、平等を理想として掲げる共産主義に共鳴する国民が増えた、評価したいところかもしれません。しかしながら、党員増加は、人々が平等を求めた結果なのでしょうか。実のところ、その逆である可能性も否定できないと思うのです。中国の共産党一党独裁体制では、共産党の幹部は、あらゆる利権を独占し、賄賂やマージンを取ることで膨大な資産を保有する特権階級です。平等の理想とは正反対に、共産主義体制とは、一般の自由主義国家よりもはるかに貧富の差が激しいのです。隣国中国の大国化を背景に、日本国内でも、共産化の暁には特権階級の仲間入りができると密かに期待する人々が出現してもおかしくはありません。もしかしますと、入党者の多くは、中国から帰化した人々も含まれていることでしょう。
 
 共産党入党者の増加は、あるいは、日本国内において中国シンパの国民が増えてきている証かもしれず、不吉な兆候でもあります。平等ならぬ、特権を目指す革命に賛同する国民がこれ以上増えないことを願うばかりです。
 
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