時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

選挙は最高裁の国民審査にも関心を

 来る14日の総選挙では、衆議院選挙と並んで最高裁判所の裁判官についても、国民審査が実施されます。投票を通した政治への参加はもちろんのこと、司法についても、国民が、不適格者を罷免する重要なチャンスです。
 
 一昨日、最高裁判所が示したヘイトスピーチに対する判断は、日本国の司法の危うさを露呈することとなりました。現行法によるヘイトスピーチ規制とは、即ち、裁判官による無法判決を意味しかねないからです。特に、司法の専門家として問題とすべきでは、ヘイトスピーチ規制法が存在しないため、人種差別撤廃条約といった国際人権法を直接に適用していることです。日本国は、国際法については二元論を採用してきましたので、本判決で直接適用したとなりますと、日本国は、国際法と国内法の関係において原則を転換させたことになります。この転換、裁判官が、個人的な自己判断で行うことは許されるのでしょうか。諸外国では、国際法を優位させる場合には、憲法の条文として明記しておりますので、日本国が、原則を転換するならば、憲法改正を要するはずです。
 
 昨日の記事でも指摘したように、ヘイトスピーチに関する司法判断については、その他の批判点も多いのですが、裁判官が、率先して法秩序を崩壊に導くようでは、日本国民の司法に対する信頼も揺らぎます。国民審査では、史上最多の×に留まらず、史上初の罷免裁判官が現れてもおかしくないと思うのです。
 
 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。