時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

韓国は竹島占領時の武力行使を正当化できない

 昨日、島根県では竹島の日の記念式典が開催されましたが、日本国政府が高官を派遣したことに対して、韓国外務省は、早々に非難声明を出したそうです。

 韓国は、これまでも、竹島について、古代から近現代に至るまでの様々な史料を持ち出しては、竹島を自国の領土であると主張してきました。どの史料も、ICJにおける裁判に耐えるものではなく、牽強付会や無理なこじ付けばかりなのですが、それでも、日本との領有権をめぐる論争の舞台を歴史に持ち込もうとしてきたのです。歴史的な根拠があるのだから、竹島は、韓国領と言わんばかりに・・・。しかしながら、韓国が、逆立ちしても正当化できない行為があります。それは、1952年の李相伴ラインの設定とそれに続く、1953年の武力による占領です。当時、武力による紛争の解決の否定は、国際社会の規範として成立していましたし、対日宣戦布告もなく、武力で他国の領土を占領することは、明らかな侵略行為です(義勇兵国際法では交戦者)。ラスク書簡もあるのですから、竹島占領は、サンフランシスコ体制に対する公然たる挑戦でもあります。

 竹島の武力占領に対して韓国に言い訳があるのならば、ぜひ、聞いてみたいと思うのです。

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