時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

千代田区議会選挙の「裸のポスター」-意図を読み解く

 今月26日に予定されている千代田区議会選挙。この選挙の選挙ポスターに、驚くべきことに「裸のポスター」があるというのです。果たして、このポスターに隠されている候補者の意図とは何なのでしょうか。

 人間とは何か、という根源的な問いに対して、古来、様々な回答が示されてきました。道具の利用、火の使用、言語能力、他者への労り…などなど。これらの説の中には、現代科学に基づく調査・研究によって否定されたものもありますが、一つだけ、確実に言える人間の特徴とは、衣服を着ていることです。『旧約聖書』のアダムとイブの物語も、人類の誕生と衣服の着用との関係の暗示として読むことができます。このように人間存在と衣服との不可分の関係を考えますと、「裸のポスター」は、民主的選挙や政治家という職業に対して挑発的であり、選挙を愚弄しているようにも見えます。しかも、背景には、菊の御紋と旭日旗と思われる文様が描かれているのですから、愚弄の対象には、日本国も含まれているのかもしれません。

 以前に、漢字・かたかな混じりの氏名表記の候補者ポスターが並ぶ日本国の選挙の光景は、非日常的で異様であるとする記事を書いたのですが、この候補者もまた、本来、厳粛、かつ、真面目であるべき選挙の場を侮日の場に用いているように思えます(法律には抵触しないらしい…)。「裸のポスター」に対するこの解読、候補者の意図を言い当てているでしょうか。

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