時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

憲法第9条も”安全神話”では

 東日本大震災に際して、福島第一原発の事故が発生しましたが、この時、左翼系の人々は、原発の”安全神話”を散々批判しておりました。絶対に安全であり得るはずがないのに、事故対策を怠ったとして…。

 世の中には”絶対に安全”というものはほとんど存在しないのですが、左翼系の人々もまた、”安全神話”に囚われているようです。左翼系の人々が信じ込んでいる”安全神話”とは、日本国憲法の第9条です。憲法第9条さえあれば、日本国は絶対に安全であり、決して戦争をすることはない、と固く信じ切っているのです。しかしながら、戦争とは、自らが始めなくても他国から仕掛けられることもあるのですから、当然に、憲法第9条が、日本国に対して絶対的な安全を保障しているわけではありません。現実には、隣国の中国は、飛躍的に軍事力を高め、尖閣諸島の周辺では、頻繁に領海侵犯を行っております。憲法第9条があろうが、なかろうが、中国人民解放軍による尖閣諸島への侵攻もあり得るのです。その時に至って、左翼系の人々は、ようやく第9条が”安全神話”であったことに気が付くのでしょうか(神話であることを知りながら、第9条保持を訴えているとしますと、それは、売国的な背信行為では…)。

 しかも、憲法第9条の”安全神話”は、韓国による竹島の不法占領によって既に崩壊しております。現実が神話であることを証明していながら、なおも憲法第9条の神話にしがみ付いている人々は、事実を直視する勇気がないのでしょうか。憲法第9条金科玉条の如くに守るよりも、現実の危機に対応すべく、万全を期することが、真の安全を実現する最も適切な方法ではないかと思うのです。

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